100mile madness!!

雰囲気で山を走っています。

20181013-14 摩耶山

弾丸神戸行ってきました。

どのくらい弾丸かと言うと、夜22時くらいに神戸空港に到着して、翌朝8時に神戸空港を出発する感じです。

素直に宿泊しても良かったのですが、せっかくなので夜通し山でも歩くか、ということで、摩耶山登ってきました。

 

新神戸駅から入って布引の滝。実は初めてです。多分これが布引の滝です。(見えん)

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市ケ原から摩耶山を登って行くのですが、せっかく時間が有り余っているので、いつもの全縦ルートの天狗道ではなく、トゥエンティクロスというルートを行ってみようということで直進。しかし、すぐ看板が立ってました。

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少し先を進んでみましたが、元々渡渉ルートみたいなので、コースが崩落してるのか渡渉するのか判断が付かないのでやめておきました。引き返して、もう一つの登山ルートである黒岩尾根へ。

天狗道も結構しんどいですが、こちらの方がもう少しガツンと登る感じでしょうか。ある程度進むとなだらかで気持ち良い尾根道になります。夜景も見えて、結構気に入りました。

あと少しで摩耶山頂、というところで音楽鳴らして宴会してる集団に遭遇。

こんな時間に何やってんねん、って感じですが、そもそも自分もこんな時間に何やってんねんて感じです。(※AM1時)

宴会の邪魔してすみません・・・という感じでそそくさと通過。

あとで判明した事実ですが、宴会してた人達知り合いでした。数少ない六甲ローカルの友人がたまたま摩耶山の、しかもマイナールートの黒岩尾根で宴会してるとかすごい偶然にも程がある。アルコールも食べ物も豊富にあったらしい・・・涙

 

そんなことなど露知らず、摩耶山の三角点へ。少し変なところにあるし、眺望も無いので、得るものは特にありません。

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掬星台はカップルで埋め尽くされてました。こんな時間に何やってんねん、って感じですが、そもそも自分(以下略

なお、掬星台からの夜景は素晴らしい。

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明らかに場違いなので、そそくさと撤収します。

帰りは旧摩耶道(もとまやみち)で下山。この大木は最近折れたのでしょうか。痛々しい・・・

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街に下りるとネコに威嚇される。

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AM3時くらいに新神戸駅に着きましたが、電車もまだ走ってないので、そのまま空港まで歩きました。結構遠い。。。

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AM5時。空港開放されてない。外のベンチで1時間くらい寝ました。俺は何をやってるんだ。

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20181008 浅間山

KOUMI100をリタイアした翌朝、、、

我々一行は小海町から北上し、小諸市の高峰高原に移動しました。ここは浅間山の登山口です。

 

浅間山、最近になって噴火警戒レベルが「1」に引き下げられ、登山道としてのピークである前掛山まで登ることができるようになりました。ちなみに規制が解除されたのは3年ぶりのことのようです。

そんなニュースを聞いていたので、是非とも浅間山を登っておきたい!と思っていたところ、奇遇にも"KOUMI100を無念のリタイア"という事件が重なったので、これは行くしかねー!と、絶好の機会を得たということで行ってきました。

なお、決して「浅間山に登りたいからKOUMI100をリタイアした」わけではございません。(重要)

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やや遅めの11時ごろに車坂峠からハイク開始。一応前日にKOUMI100を74km走った身なので、やや疲労を感じましたが、ゆるふわハイクする分には全く問題ありませんでした。

トーミの頭に到着すると、雄大浅間山が出迎えてくれます。そして、ちょうど紅葉期ということもあり、カラマツの黄色い絨毯がめちゃくちゃ映えます。絶景。

すれ違う登山者もなんだか表情が柔らかいような・・・これも浅間山が為すヒーリング効果なのでしょうか。

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浅間山、噂に違わず素晴らしい山でした。登れてよかった!

なお、決してKOUMI100をリタイアしてよかったー!などとは・・・(以下略)

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20181007 KOUMI100 2/2

part.1の続き。2周目です。

 

◼︎LOOP2(70k) 13:37 / 247位

松原湖高原スケートセンターOUT(37k) 6:33

↓1:33

本沢温泉入口(46k) 8:07

↓0:39

稲子湯(50k) 8:46

↓3:05

稲子湯(63k) 11:52

↓0:47

本沢温泉入口(68k) 12:39

↓0:57

松原湖高原スケートセンター(74k) 13:37

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1周目を終えて、予定より30分遅れでしたが、正直2周目を1周目より速く走ることは無理だなーと感じていたので、6時間30分を意識して進みます。

歩くペースは悪くないですが、なかなか前にランナーが見えない。。。みんな走ってるんだなぁと焦りながらもマイペースを貫くことしか出来ません。

2周目も本沢温泉エイドはスルー。少しでも時間を稼がねば。稲子湯に向けてロードを下っていきます。

異変が起こったのはロードを下り切ってからの登り返しに差し掛かるところでした。足が前に出ない。。。アスファルトの硬さに足が耐えきれなかったか?まだまだ先は長いのに早くも悲鳴を上げてしまいました。ヘロヘロになりながら稲子湯エイドへ。どうにもならないので腰を下ろしてじっくり補給。エイドではコーラが置いてあり、少し息を吹き返しました。

気になるのは痛めている左足の指先。左足に体重を掛けると耐えきれない。そうなると自然と左足を庇うような動きになるので、今度は右脚に負担が掛かってしまう悪循環に陥っているようです。とりあえず様子を見ながら、ペースを落としてゆっくり進むことにしました。

なんとか登山口に到着して、ここから2回目のニュウ登山開始。なんとなくペースが上がりません。最後のキツイ登りは「こんな登り長かったっけ・・・」と感じるくらいツライ。多分記憶が楽な方向に上書きされている。あと3回登りに来なきゃいけないのかよー、と想像してみたら絶望した・・・(自爆)

心を無にしてどうにか登り切り、折り返す。キツイ登りだったので、当然下りもキツイ。1kmほど下ったところで、トップの選手が走って登ってきました。これ、2周目にして1周遅れにされるんじゃなかろうか。。。

ふかふかのトレイルだと走れるのですが、アスファルトになると途端に足が痛くなります。もうアスファルト嫌い!

それでも、ニュウへの登りで手こずった分をリカバリーするべく出来る限り頑張って走りました。

本沢温泉へ戻る登りのロードは既に走れない(そもそも1周目から走ってないですが・・・)ので、休まず歩き続けるのみ。エイドに到着する頃に日が暮れました。気温も一気に下がってきたので、シェルを羽織りました。

時計を気にしながらここまで来てみたものの、既に12時間40分。13時間(=2周目6時間30分)は無理、13時間30分も結構際どい気がするなぁ。

13時間30分は自分の中で決めていた2周目のデッドラインでした。2周目を7時間で走れなければ、この先7時間を切って走ることは現実的ではありません。4周目関門時間である28時間以内に通過するためには、各周回でのデポバッグ入れ替え時間を15分みた上で(計30分)、3周目・4周目を7時間で繋ぐことで(計14時間)ギリギリ28時間に滑り込める時間が2周目終了時点で13時間30分ということになります。

でもこれからナイトセクションに入るのに7時間で走ることは現実的じゃないよなー、と思いながら最後のトレイルセクションを走って下りました。

そして、スタート地点に戻る手前でデッドラインをオーバー。2周目を終了したのは13時間37分でした。ここで8分で装備の入れ替え・補給すれば再び理論上のラインに載るわけですが、これ以上関門時間と闘い続ける気力は既に持ち合わせておらず、リタイアを申告することにしました。

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こうして私のKOUMI100は2周目で終わりました。惨敗でしたね。。。

余談ですが、ギリギリ1周遅れを免れました!w

 

 

KOUMI100完走に向けて自分的メモ。2周しか走ってないので参考になるかわかりませんが。

  • ロード区間をいかに走れるかが完走への鍵を握ると思う。そのためにはベースとなるジョグペースを引き上げる必要があるが、あまりにも練習不足で全く走れなかった。ノリで完走できるコースではない。
  • ロード区間が多いので、それに耐え切る筋力が必要。峠走や林道練が完走への近道だと思った。
  • シューズのセレクトも大事。トレイルシューズである必要はない気もする。
  • 1周目からストックをガシガシ使ったが、正直ストックがあってよかったと思ったのはニュウの登りのみ。下手なストックワークは身体への負担が増えるだけで、無駄に疲れる気がする。序盤は不要という結論。その分軽量化してタイムを稼いだ方がよさそう。
  • ラムネはやっぱり美味しい。

 

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20181007 KOUMI100 1/2

信越五岳から3週間、KOUMI100を走ってきました。結果から先に書いておくと、2周を終えてリタイアしました。

 

信越五岳は今年も台風が来て100mile開催されないんじゃないか」理論に基づき、言わば保険的な位置付けでKOUMI100にエントリーしていました。(どうしても今年100mileを走ってみたかったのです)

そんな思惑をよそに、信越五岳は無事開催され、逆にKOUMI100の方が台風にやられるというまさかの展開。直撃気配濃厚だった台風25号は幸い進路から外れましたが、その前の台風24号によって大きな被害を受けていました。

コース近隣のしらびそ小屋の情報によると、登山道は壊滅的ということで、KOUMI100のコースも少なくない影響が出ているだろうと思っていました。ギリギリまでレンタカーを借りるのを保留していましたが、大会中止等のアナウンスは無かったので、とりあえず現地に赴くことにしました。

 

◼︎コース変更

前日のレース説明会の中でコース変更が発表されました。やはりKOUMI100のコースも最高地点であるニュウへの登山道が崩落し使えないとのこと。しかし、そこで諦めない流石のOSJ、唯一生きているニュウからの下りをピストンで繋いで開催するね、結果的にロードの繋ぎ区間が増えてトータル10km増えて175kmのレースになるのでよろしくね!と言われました。

全然よろしくない、と正直思いましたが、自分に出来ることは頑張って走ることしかありません。

 

それと、デポバッグの使い方について。

レース中はデポバッグに入ってる物だけ使ってくれ、とのアナウンスがありました。サポートによる無尽蔵な補給はレースの公平性に欠けるため、という理由です。確かにごもっともだなぁ、と思いつつも想定外の話だったので、ちょっと計算が狂いました。

まぁ、実際レースが始まってみるとあんまり守られてなかったみたいですが(ルールにも載ってなかった気がするし)、アナウンスを聞いてしまった以上、デポバッグ以外から補給することは出来ません。

とりあえずデポバッグに着替えと食料を詰め込めるだけ突っ込みましたが、自分の中で割と生命線である麦茶は650mlペットボトル4本しか入れられなかった。。。

 

◼︎レース戦略

3週間前に走った信越五岳の後遺症として、左足の指先に違和感が残っていましたが、KOUMI100を完走するためにはこの足と向き合う必要があります。とはいえ、正直無理はできないなぁ、とは思っていました。

設定タイムとしてはスタート地点での休憩時間を除いて5周とも全て6時間としました。1周目でペース感覚を身に付けつつ、どれだけ6時間に近付けるか。距離が伸びた分がどう影響してくるか。

※ちなみにKOUMI100では4周終了時関門として28時間(平均7h/周)があります。フィニッシュ制限時間は36時間。

 

◼︎LOOP 1(35k) 6:25 / 302位

本沢温泉入口(9k) 1:27

↓0:33

稲子湯(13k) 2:01

↓2:45

稲子湯(26k) 4:46

↓0:44

本沢温泉入口(30k) 5:31

↓0:54

松原湖高原スケートセンター(36k) 6:25

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スタート早々、無理しないペース(=5周とも同じように走れる)ということでのんびり走っていたら、どんどん置いていかれてしまい、気が付けば後ろを振り返ると誰もいない・・・もしかして私、最後尾ですか?

林道の登りに入り、積極的に歩いてようやく集団に追いつきました。

最初のエイドがある本沢温泉入口までは緩やかな林道の登りですが、そこから次の稲子湯エイドまでは繋ぎのロード区間なので、エイドをスルーして時間節約。

しかし、いかんせん走るペースが遅いのでバシバシ抜かれます。皆ホントに速い。多分自分が遅いだけなんでしょうけど・・・やはりKOUMI100を走るランナーは歴戦の猛者ばかり、いきなり洗礼を浴びた気分です(笑)

 

ガツンとロードを下り、1kmほど登り返したところでエイド。1周目はエイドに水とポテトチップスくらいしかなかったので、ポテトチップスを数枚つまんで先に進みます。

稲子湯エイドから先はしばらくロードが続き、ニュウ登山口まで。とにかくロードが長いです。歩き倒す。

トレイルに入って早々、先頭集団が折り返してきました。めっちゃ速い!こんなペースで走ってんのかー!と、ある意味感動しちゃいました。

ニュウまではすれ違い区間なので、ここで走ってるランナー全員とすれ違うことになりました。基本的に下り優先で声を掛け合いながら進みます。

結果的にゆっくり登ることになるので、そこまで苦労せずコース上のピークに到着。通過チェックを受けて折り返すと、登ってくるランナーはほとんどおらず、ほぼ最後方であることを改めて確認(笑) このペースで本当に大丈夫なのかしら。。。

再び登山口に戻ってくると、今度は稲子湯エイドまでロードの下り、そして本沢温泉エイドまでロードの登りが続きます。この区間が地味にきつい。この長いロード区間をどれだけ消耗せずに進めるかがポイントだと思います。そして、タイム短縮のポイントでもあります。

本沢温泉エイドまで戻ってこれたら、そこからは下りの走れるトレイルなので、そこそこ走ってスタート/フィニッシュ地点に戻りました。

 

1周目終了時点で6時間25分。予定より30分遅れです。とはいえ、ここまでかなりのんびり来たので、このままペースを刻めれば4周目関門に向けて少しずつ貯金ができる。ただし、これ以上ペースが落ちるようだと厳しい。最低でも2周目を7時間以内で走り切りたい。

そんな目安を決めて、2周目を走り出しました。(いや、歩いてたかも…)

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part.2へ続きます

20180923 南八ヶ岳

信越五岳明けでまだ足に違和感が残っている状況ですが、「ゆるふわハイクなら問題ない」理論で南八ヶ岳の日帰りハイキングへ。

毎日あるぺん号で美濃戸口行きのバスが取れたので、美濃戸口から硫黄岳、横岳、赤岳、権現岳を経由して甲斐小泉駅までの27km。

稜線上は風が強かったですが、秋晴れの"THE DAY"を満喫しました。

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歩いていて気が付きましたが、これ全然ゆるふわハイクじゃないよね。。。

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20180915-17 信越五岳100mile 2/2

part.1 の続き。後半戦です。

 

◾︎黒姫→笹ヶ峰(113k) 21:54 / 312位

黒姫エイドを出発すると、関門時間を既に諦めている人達もいる中で、とにかく全力で林道を歩く。もがく。
そんな私を見て、「まだ行けますか?」と聞いてくるランナーもいたが、正直そんなことわかりません。でも動けるなら頑張った方がいいですよ、と伝えました。
自分の足はしっかり前に出てるし、下りは走れているので、「これ行けるんじゃね?」という気がしてきた。
しかし、順調に進んで吊り橋まであと少しというところまで下りてくると、見たくなかった光景が広がっていました。渋滞。。。

ここの吊り橋は定員"2名"のか弱い橋でして、一度に2人ずつしか渡れないことになっているのです。
110kと100Mのランナー、そして100Mのペーサーが関門時間ギリギリのコアタイムに殺到してしまったことで、完全にキャパオーバーの状態になってしまったようです。

少なくとも50人以上並んでるから、軽く見積もって渡るまで30分は掛かりそう。時計を見るとちょうど21時間を指していました。

"吊り橋渡って、残り3km?"
"発電所の激登りもある!その後も結構アップダウンなかったっけ?"
"絶対間に合わないよね!"
"救済措置ないの?(ない)"

"おつかれさまでした!"

悲観的ムードが漂う吊り橋手前の現場。
自分も例外ではなく、"良いペースで来れてたけど、この渋滞も考慮するなら、やっぱり黒姫19時間って読みは当たってたなぁ。。。"などとレースを振り返り始めてしまう始末。ちょっと想定外な出来事だったけど、これは受け入れるしかありません。

そして、ようやく橋が見えてきました。橋を渡ったランナーが全力で走っていくのが見える。。。あと、諦めているランナーもチラホラ。

自分の番が来ました。時計を見ると21時間27分が経過。残り33分・・・
一緒に渡った人は全力で走っていった。自分はというと、ある程度プッシュしつつ、先を見据えて無理はしない。それで関門に引っかかったとしても仕方ない(ここで消耗して潰れてしまっては意味がない)というスタンスでした。
今となっては中途半端だったなぁと思いますが、結果的に5分30秒前に笹ヶ峰関門通過!首の皮一枚繋がりました。


笹ヶ峰エイドは15分後に出発しないとアウトとのことで、時間を目一杯使ってカレーライス、うどんなどを補給。制限時間2分前に慌ただしく出発。

 

◾︎笹ヶ峰→大橋林道(131k) 25:40 / 307位

なんとか笹ヶ峰関門を通過することができたことで、周囲を見渡すと安堵の雰囲気が伝わってきます。完走が見えてきたんじゃないかと。

笹ヶ峰牧場から乙見湖へ下ったところで日が暮れました。2回目の夜を迎え、早速睡魔が襲ってきます。

ここは夢見平という美しいトレイルが広がっているはずですが、夜なのでよくわかりません。それどころか自分が今どの辺を歩いているのかわからず、だんだんと意識が朦朧としてきた。。。夜の夢見平は良い夢を見られそうにありません。

前後に人が居なくなり、心細い気持ちでトボトボ歩いていると、ようやく西登山道入口のエイドが見えてきました。ここから黒姫山の登りが始まります。

黒姫山は連日の雨で泥濘が酷いことになっており、特に下りが全然走れない。

ようやく大橋林道のエイドが近づいてきた時点で、既に25時間30分を過ぎている。あれ?もしかして結構時間ギリギリじゃね?

回転の遅くなっている脳をフル稼動させて、歩きながら設定タイムの逆算を始めます。

  1. フィニッシュ制限時間は32時間。
  2. 戸隠スキー場(143k)からゴールまで少なくとも3時間30分掛かるので、28時間30分にエイドを出発しないとヤバイ。
  3. 28時間で戸隠スキー場に到着したい。
  4. この大橋林道は131km地点。

というわけで12kmを1時間50分で進む必要があることがわかりました。全歩きだとちょっと間に合わない。。。

完走予定タイムの30時間どころか制限時間まで余裕が全く無い状況ということを理解。ヤバイヤバイ。

エイドで一息つきたいところだけど、一分一秒がもったいないので、スルーしました。

 

◾︎大橋林道→戸隠スキー場(143k) 28:05 / 283位

以前自分が110kに参加した時は、ロードと遊歩道を繋いで戸隠神社奥社の随神門に向かうルートだったと記憶してましたが、戸隠キャンプ場を突っ切るルートに変わったのかな?広々とした牧場を歩くのはちょっと果てしなく感じました。

遊歩道に入り、ペースを上げていきたいところですが、泥濘が酷くてなかなか走れません。

随神門を通過し、鏡池(見えない)を越えると、霧も濃くなってきて眠くなってくる。

ようやく戸隠スキー場に到着したのは28時間5分。そして、気付いてしまいました。。。

戸隠スキー場からゴールまで3時間30分では絶対辿り着けない!

最早一刻の猶予もありません。が、このエイドもスルーしてラスボスの瑪瑙山を乗り越えられるほど簡単な山ではないので、温かい戸隠そばを一杯頂いて出発しました。

ゴール制限時間まで残り3時間45分。

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◾︎戸隠スキー場→瑪瑙山 29:40 / ???位

戸隠スキー場からゴールまで3時間30分では辿り着けないと直感した理由は、戸隠スキー場に近づくにつれてだんだんとエグみを増す泥濘に足を取られ始めたからです。これ瑪瑙山どうなっちゃってんの?

悪い予想はすぐに現実のものとなりました。

今までの泥濘が可愛いレベル。時には膝まで泥濘に埋まり、所々で悲鳴が聞こえます。(もしかしたら楽しんでる人もいたかもしれませんが・・・)

足を取られて手も泥濘に突っ込んでしまったり。まるで田植えです。しかし、我々は田植えをしている場合ではないのです。※(参考)レース後のシューズ

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刻々とリミットが迫ってきますが、瑪瑙山の高さは変わらないのでとにかく登るしかありません。ここまで143km走ってきて、体力も限界に近い中での瑪瑙山の直登は本当に厳しかった。

あまりの辛さに記憶が飛びました。気が付いたら瑪瑙山山頂にいました。

寝ながら登ってたのか、何にせよラスボスを登り切りました。完走は見えたのか・・・残り2時間20分。

 

◾︎瑪瑙山→Goal(160k)

瑪瑙山からの強烈なダウンヒル。一旦下り切ったところに案内の方がいて、ここから1.2kの最後の登り、3.2k先が最終エイドとのこと。

瑪瑙山で登り終わったと思ってたのにまだ終わってなかった!

林道区間が10kmだと勘違いしていて、10kmをキロ何分で走ればいいか計算していたけど、まさかの誤算!登り切ってから最終エイドまでは、とにかく必死に駆け下ります。ホントにヤバイ!

そして飯綱山登山口エイドに到着したのが30時間53分8秒。残り7.4kmを66分52秒。

とにかく1秒でも惜しいのでエイドには寄らず駆け抜けます。

"66÷7.4"など疲労困憊の頭で暗算出来るわけもなく、そして実は7.4kmではなくもう少し距離が残ってるんじゃないかという疑心暗鬼もあり、「キロ9分はまずい。キロ8分で走り続ければ行ける!」と自分を奮い立たせて最後の林道でプッシュしました。

時計を見るとキロ7分で走れている。この調子で行きたい!すると、私が良いペースで走れているので、周りのランナーも同調してきます。

"このペースで行けば絶対間に合いますよ!" と先頭を引っ張りました。

が、皆走り出すと速いので、早々に置いていかれました(泣) まるでBBQの着火剤のような役回りですが、悲しんでる場合でも、ゴールを前にして燃え尽きている場合でもない。ただひたすら燃え続けるしかないのです。

どのくらい走ったか、時計を見ると既に160kmを超えています。あと何キロ残ってるんだろう?不安で仕方ないですが、出来ることは走り続けることしかありません。

そして、遂に残り1.1kmの案内が。制限時間まで20分ほど残ってます。間に合った〜!

周りのマイラーと健闘を讃えながら最後のゲレンデを下りました。

 

31:49'14 / 257位

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振り返ると、序盤の絶不調から始まり、吊り橋事件からの猛ダッシュ、そして田植えからのラストスパート、、、色々あり過ぎて本当に疲れました。諦めかねない場面に幾度となく遭遇し、それでも最後の最後まで諦めなかった結果、100マイラーになれました。これが100mileレースなんですね。

圧倒的に練習量が足りてない中で、この結果は奇跡です。"100mileに奇跡などない"、という指摘(悪い意味ではありません)も頂いたのですが、今回のレースでは「完走に繋がる一本の糸を"奇跡的に"最後まで手繰り寄せ切った」という表現が自分の中でしっくり来ています。

 

そして、忘れてはならないのは、最後まで完璧にサポートしてくれたアシスタントの存在ですね。

エイドでは麦茶のボトル補給、豆乳やプロテイン、うどんからゆで卵まで、食べたいもの・飲みたいものを全て用意してくれてました。これらの補給なしに完走はありえなかったと思います。本当に感謝しかありません。ありがとう!

 

翌日の閉会式にて完走バックルを石川さんから手渡しでいただきました。信越五岳、本当に素晴らしい100mileレースでした。

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20180915-17 信越五岳100mile 1/2

初開催だった昨年の信越五岳100mileは102kmで終わってしまいましたが、一年越しに100mileコースが繋がりました。(なお、コースが繋がったとしても自分がゴール出来るかどうかは…)

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◾︎Start→バンフ(24k) 3:41 / 496位

昨年実績と過去の110kタイムをベースに算出した目標タイムは30時間。大まかな予想到着タイムは以下の通り設定していました。

 

  1. アパリゾート上越妙高 9時間30分(※関門12時間)
  2. 国立妙高青少年自然の家 12時間30分(※関門14時間30分)
  3. 赤倉観光リゾート 16時間10分
  4. 黒姫 19時間10分(※関門20時間)
  5. 笹ヶ峰 22時間(※関門22時間)
  6. FINISH 30時間

 

めちゃくちゃ大雑把ですが、笹ヶ峰の関門が最も厳しく、自分の走力的にも関門ギリギリラインだろうということで、そこを基準として逆引きで設定しています。裏返すと「設定タイム=デッドライン」を意味しており、全く余裕がありません。

そして、どうにかして笹ヶ峰を越えられれば完走の見通しが立つのではないかということになります。

 

そんな中、重大な懸念事項が一つ。

富士登山競走が終わってから、猛暑に気力を奪われてほとんど走れないままレースを迎えました。月間走行距離を調べてみたら、8月98.4km、9月13.6km…少なっw

唯一トレーニング感があるのが大倉U練(50km弱の林道練)ですね。100mile完走する気あるんですか?

 

さて、そういった状況をふまえて、自分はどう走るべきか?

練習量が圧倒的に足りてないので、オーバーペースは死(=DNF)に直結することを心構えとして強く意識しました。無駄に消費するだけの体力は一切無いので、とにかく自分の感覚に従ってマイペースで進むこと。

 

そんなわけで、スタートから周りを気にせず淡々と走っていたのですが、バンフに到着したのは3時間41分。早くも昨年実績から20分のビハインド…待て待て待て。

決して抑えて走っているわけではないのに、自覚できるほどにペースが上がらない。特に登りの出力の弱さが深刻。。。これアパ10時間とか絶対無理でしょ。

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◾︎バンフ→アパリゾート上越妙高(56k) 10:21 / 464位

バンフを出発してからも、相変わらずペースが上がらないまま赤池エイド(37k)へ。

とりあえずコーラを飲みたかったのですが、なんと売り切れ。終わった、もうダメだ。。。

コーラが無いことに絶望して、アシスタントにLINEを入れておきました。既に完走を諦めているようなメッセージですね。

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とはいえ、アシスタントが次のエイドで待っているので、進まなければ。ちょっと胃が気持ち悪いけど、ゆっくりならまぁ行けるか・・・?

藁にもすがる思いでボトルにお湯を400mlほど入れて貰い、そこに「しじみの味噌汁の素」をぶち込む。歩きながら飲んでいると胃が少し落ち着いてきた感覚。しじみすげー!

不思議なことにここまでの重たい脚が嘘のように袴岳をサクッと登頂。何と言うか、「練習不足の自分」から「ここまでの40kmを経て運動系の神経がようやく繋がってきた自分」と言うか、ようやく自分の頭のイメージと身体の動きがリンクしたような感覚でした。

※習慣的なトレーニングの意義ってこういう部分にもあるのかな?とか思ったりしました。ランニングの継続は力なりです!

 

アパリゾート上越妙高に到着したのは10時間21分。デッドラインを50分オーバーしていましたが、「調子が上向いてきたから行けるところまで行くよ」とアシスタントに伝えてエイドを出発しました。

 

 

◾︎アパリゾート上越妙高→国立妙高青少年自然の家(71k) 13:02 / 399位

アパから自然の家までは繋ぎのロード区間で、タイムの稼ぎどころです。つまり、この区間でどれだけペースを上げられるかがポイントになってきます。

私の場合は急傾斜でないウォーキングであれば10分/kmくらいで進み続けられる計算が立っているので、積極的に歩きを混ぜて、順位をぐんぐん上げて自然の家に到着。調子がめちゃくちゃ良い!デッドラインを20分くらい巻き取れました。

余談ですが、あなたがエイドに近付くと雨が降ってくるんだけど、とアシスタントに言われました。そんなバカな。。。

 

◾︎国立妙高青少年自然の家→赤倉観光リゾート(89k) 16:10 / 361位

昨年通った藤巻山がコース崩落で通行出来ず、坪岳経由に変更されました。

藤巻山はガツンと登ってガツンと下った印象があるのですが、坪岳はだらだらと登りが続いていく感じで歩きやすいです。

そして、ここから大きな難所、赤倉のゲレンデ登り。登っても登ってもゲレンデの登り。4回くらい登らされる。山頂は霧で見えない。頭が混乱して、昨年の記憶を「確かこれで最後の登りだった(本当はもう1回登らされる)」という記憶に置き換えようとしてくるくらい衝撃的なカベです。

何とか登り切り、登った分全て下る勢いでゲレンデを下って赤倉エイドに到着。遂にここで設定タイムに追いつきました。やれば出来るじゃん!

少し自信を持って赤倉を出発。

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◾︎赤倉観光リゾート→黒姫(102k) 19:13 / 355位

赤倉を過ぎると、スキー場を横移動する感じで細かいアップダウンを経て、関川の110kの部と合流します。

ここまでかなり苦労しましたが、ようやく黒姫までは辿り着く見通しが立ちました。しかし、問題は何時に到着できるか。。。

昨年は黒姫ゴールだったので、ゴールまでトレイルをかっ飛ばしましたが、今回はそんなこと出来ません。

結局到着したのは19時間13分。再びデッドラインを3分オーバーですが、ほぼ想定通り。

欲を言えばもう少し余裕が欲しかった、などと呑気に言っている場合ではなく、ここからが正念場です。2時間30分あれば笹ヶ峰まで行けるはず!

急いでにゅうめんを平らげ、19時間26分でエイドOUT。笹ヶ峰閉鎖まで残り2時間34分。。。

 

 

part.2に続きます